高 選圭 / go seongyu
経歴 |
1992 年 | 檀国大学 政治外交学科(韓国)卒業 |
1997 年 | 東北大学情報科学研究科(政治情報学)修士修了 |
2000 年 | 東北大学情報科学研究科(政治情報学)博士修了 |
2005 年~ | 韓国中央選挙管理委員会選挙研修院教授 |
研究テーマ
政権交代選挙の日本・韓国比較分析
1.研究の背景と目的
2009年8月30日に行われた日本の総選挙の結果、民主党は308議席を得て圧勝した。
民主党の勝利によって日本の政権が自民党から民主党へ交代した。
今回の勝利は‘選挙による革命’とも言われているが、
その理由は、戦後日本で初めての実質的な政権交代だからであろう。
戦後日本の選挙政治史をみると、政権交代がまったくなかったわけではないが、
今回のような2大政党が予め選択肢を与えてから、
ある一方が単独過半数を取って政権交代が行われたのは初めてである。
韓国では、1997年の大統領選挙で与野党間の初めて政権交代が行われたが、
その後2007年選挙に再度政権が野党へ交代した。
韓国選挙では政権交代は日常化している。
政権交代の日常化は韓国だけではなく、
日本の選挙もこれからは民主党と自民党間の政権交代を
前提に行われる可能性が高いと思われる。
日本では今回の選挙が初めての政権交代選挙であるが、
果たしてどういう状況の中で政権交代は行われるのかを
分析するのが本研究の目的である。
まず、日本と韓国政権交代選挙を分析・比較し、共通点と相違点を導き出す。
その上、2006年スウェーデンの政権交代選挙等の欧米の最近事例と比較し、
一般化を試みるのが目的である。
2.研究の内容
分析対象の選挙は、日本の2009年選挙と韓国の1997年、2007年選挙をそれぞれ分析する。
欧米の事例は、2006年スウェーデンの政権交代選挙を比較事例してみたい。
選挙の分析には様々な理論的な枠組みと分析方法が用いられている。
今回の分析には特定の理論を持って分析するのではなく、
選挙の全体的な構図を眺める形でマクロなアプローチを考えている。
選挙環境(社会経済的な状況、政治的な状況、対外関係等)与野党の対立構造、
世論の動向、与野党の対する有権者の評価(与党に対する業績評価、野党に対する期待評価)、
有権者の投票基準とその変化、無党派層の動き、選挙の争点、選挙制度及びメカニズム、
選挙運動、選挙におけるメディアの影響(例えばインタネットとITメディアの影響)等に関する分析を行いたいと思っている。
本研究は、2010年度1年間の日程として進めていくが、
対象選挙に関する研究論文、マスコミ報道、世論調査結果、
政治家、政党関係者へのインタービューや現地調査などを中心に行う予定である。